閻魔大王から連絡来たん、数年前やったかな。
杉浦くん、合宿ご苦労さん、お盆の最中、仕事も暇やし、手伝ったるわ…と。
そりゃあ、ありがたい!渡りに船っと、合宿最終日の総括、お願いしたわけや。
閻魔様といえば、冥界三十五日目の裁判官(四十九日目やありまへん)、泣く子も黙る仕置き人。
生徒もビビッて、がんばることやろうってことでんな。
最終日の午前を任せて四年になるけど、なかなかええ味出してくれとる。
「おのれ、どおゆうつもりじゃあ?」
あらら、また生徒泣かしとる…と思いきや、叱っとんのとちゃうねんな。
「こんなに、がんばったん、生まれて初めてやろ。偉い!」
なるほど、うれし泣きやったんや。たしかに誉められて泣いたん、生まれて初めてやろな。
さすが閻魔、義理人情に厚いやん。脱帽やね。
それでも、マジに叱られた奴もおった。
「もお2、3日、明日香村から出んでええで。」
これならまだしも、ホンマに飛鳥駅のベンチで勉強させられた生徒がおった。
良いことも、悪いことも、がんばったことも、サボったことも、閻魔がみんな見てるで。
正直に、やりきりや。
そうそう、閻魔さん、杉浦先生に化けるんがうまいんや。
楽しみに頑張りや。
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初めて聞くのに、おもしろく、初めて見るのに、懐かしい。
夏合宿四日目、狂瀾怒濤の閻魔劇場、開幕まで今年もあと一週間です。