不定期冬講日記(その7)

昔々のお話です。

大阪・兵庫・京都・奈良の中学入試統一解禁日がすっかり定着した昨今から慮るに、もしかすると全く想像を絶する事態だったかもしれません。

大阪・兵庫・京都の「統一初日」が3月、奈良は1月に五月雨式…という時代がありました。

正月明け早々に奈良の中学入試が始まります。日曜日ごとにきれいにバラけておりました。

前受け・本命、入り乱れて、騒乱怒涛に過ぎ去っていったものでした。

2月は戦士の休息…と思いきや、大阪・京都の統一初日までに、補欠出しまくっても入学定員を埋めてしまいたい奈良と、水面下の動きを秘かに注視する大阪・京都のせめぎあい、なんとなくザワついたまま3月を迎えます。

大阪・京都の受験終了と入学者召集・確定を受け、奈良が最後の大規模な補欠を出すため、ザワめきは3月末まで続くのです。

毎年繰り返される「激動の3ヶ月」を、今や果たして知っている業界人がどれほど残っているのか、受験日程前倒しゆえに、強気に押しまくった奈良の中学校と、それらに正面から闘いを挑んだ塾屋たち。

寒さが身に染みてくると、あの熱い日々を懐かしく思い出します。

石川数学塾大阪
学園前教室・杉浦

不定期冬講日記(その6)

小生、毎日、お昼のおにぎりを持ってきます。最近、具はササメに凝っています。

それほど自慢できたシロモノではありません。どれほどひいき目に見ても、明らかに不細工です。ササメも塩加減も、均一でないことがあります。ササメ密度が部分的にメシ密度を超えていたりします(^_^;)。

にぎり始めたころには、野球のボールのようにまん丸でした。いちおう三角形になりましたが、まだ愛車Zのように車高が低いです(笑)。

暇だからにぎっているわけではありません。小生の朝は忙しいです。5時起床。珈琲を挽きながら、朝刊各紙のヘッドラインをネットでチェック。トーストをつまみながら、掃除・洗濯。おにぎりをにぎって、朝シャワーして、着替えを詰め込んで、ゴミ出しして。Zに点火するのが、きっちり朝7時です。

それでも前夜にお米を研いで、炊飯器をしかけて、炊き終わったらしっかりお釜を洗って、一週間に一回は分解洗浄して…と、やたら楽しくて仕方がありません。

おにぎりがあれば、どんなに昼が忙しくても大丈夫。懇談等でない限り、片手で食べながら仕事できます。生徒諸君も片手で食べられるものは食べながら、もう一方の手で鉛筆を走らせています。小生も然りです。

美味くても不味くても、いっさいがっさい自分の責任、わかりやすくて良いです。

明日は少しだけ具を変調させて、小さめににぎってみましょうか。誰にも気づかれない密やかな楽しみがあってこそ、のっぺらぼうな毎日を避けることができるのだと思っています。

石川数学塾大阪
学園前教室・杉浦

不定期冬講日記(その5)

教室には「主」がおります。

「あるじ」と読みますと、小生のことです。小生は、石川数学塾大阪・学園前教室長です。

「ぬし」と読みますと、「あるじ」のような、半ば公的役職…ではありません。

教室にへばりつくように、堅忍不抜、克己勉励する生徒のことです。

多くの生徒たちが、畏敬の念を込めて、彼(彼女)を「ぬし」と呼びます。

「ぬし」は小生の間近に陣取り、小生の発するさまざまな叱咤激励をモノともせず、もちろん動ずることなどなく、黙々と課題をこなします。

小生の机に置かれていく解説順番取りのための小物など整理し、笑み、泣き、笑い…そんな様子を見ていますと、十分に授業の流れをふまえておりますが、柳に風と受け流すことも忘れません。

『遠野物語』の「ざしきわらし」を彷彿させる、かわいらしい守り神といったところでしょうか。

「ぬし」は今日も覚悟を決めて、厳しい一日を過ごします。

誰よりもすばらしい入試結果を叩きだすのが、他ならぬ自分自身=「ぬし」であることを知るのも、もうすぐ、ほぼ一か月後です。

「ぬし」くん、今日もがんばるのだよ!

石川数学塾大阪
学園前教室・杉浦

不定期冬講日記(その4)

「怒号が教室に響き渡り、怠惰な学生をして粛然襟を正さしめ」たと、描写された授業があります。

このブログにも「師匠の思い出」として連載いたしました、我が師の授業です。

『退官記念論文集』に、一番弟子の先輩がお書きになりました。

師匠には遥かに及びませんが、毎日講習していますとボチボチ小生に叱られる生徒も出てきます。

小生、できなくても叱りませんが、できようとしないときには怒号を浴びせます。

悪くても叱りませんが、良くなろうとしないときには除名を宣告します。

線引きは明快です。ブレません。

学業も生活も、できようとしなければ、できるようになりませんし、良くなろうとしなければ、決して良くならないからです。

勝負は時の運、一敗地にまみれても、臥薪嘗胆、次を目指す人間になってほしい。

だから、まずは自ら、今日もあきらめずに生きていこうと思います。

生徒諸君には、私の背中についてきてほしいです。

石川数学塾大阪
学園前教室・杉浦

不定期冬講日記(その3)

不思議なことですが、小生、塾の先生をやっていて「つらい仕事だ…」と思ったことがありません。

好きな仕事を、好きなだけやっているからですね。「きらいだ…」と思えるほどに、我慢してやったことがないのです。

ですから、生徒たちにも少々奇妙に語りかけます。

「目の前にいるおじさんは、好きな勉強を好きなだけやってきた人です。好きな仕事も好きなだけやってきました」。

「好きなことを寝食忘れてするのは、あたりまえです。偉くもなんともありません」。

「きみは勉強が好きでやっているのですか?え…嫌い…?そうですね、10万人中99999人は、嫌いでしょうね」。

「でも、我慢してやっているんですね。偉いなぁ。私にはできないことをやっているあなたは、偉い人です」。

「このまま偉い大人になってください。もしかして、我慢してやっていたら、勉強を好きになるかもしれません」。

「それもまた良し。嫌いなままでも、また良し。勉強も仕事も、人生そのものですからね」。

勉強嫌いな自分に自己嫌悪だった生徒諸君、肩の荷が下りたように感じるそうです。

勉強は好きだからするものだ…って、何たる偏見、何たる妄想!

きっとたいへん勉強好きな学者さんが造り出した、大きな大きな虚塔なんでしょうね。粉砕あるのみです(笑)。

石川数学塾大阪
学園前教室・杉浦

不定期冬講日記(その2)

寒風に抗い、さっそうと走るフェアレディZのフロントガラスに、何やら白い小粒な物体が付着しました。

このヤマト国中(くんなか・奈良盆地で二上山が見える範囲です)にも、初雪でしょうか。

初雪とともに、毎年恒例の風邪、インフルエンザ、大流行。世間一般ではそうですね。

時流に反して(笑)、学園前教室ではパンデミックってわけでもないです。

数年前から授業中の予防マスク強制になりました。それ以来、罹患率が目に見えて減っています。

「マスクは息苦しい」などと、何かと不評ですが、健康には代えがたいですね。

今年はなんと小生が、10月末に風邪をひいてしまいました。

そんなわけで、11月から翌年2月を、マスク着用期間としています。

今年も健康な冬休みを送りたいと、切に願っています。

石川数学塾大阪
学園前教室・杉浦

不定期冬講日記(その2)

寒風に抗い、さっそうと走るフェアレディZのフロントガラスに、何やら白い小粒な物体が付着しました。

このヤマト国中(くんなか・奈良盆地で二上山が見える範囲です)にも、初雪でしょうか。

初雪とともに、毎年恒例の風邪、インフルエンザ、大流行。世間一般ではそうですね。

時流に反して(笑)、学園前教室ではパンデミックってわけでもないです。

数年前から授業中の予防マスク強制になりました。それ以来、罹患率が目に見えて減っています。

「マスクは息苦しい」などと、何かと不評ですが、健康には代えがたいですね。

今年はなんと小生が、10月末に風邪をひいてしまいました。

そんなわけで、11月から翌年2月を、マスク着用期間としています。

今年も健康な冬休みを送りたいと、切に願っています。

石川数学塾大阪
学園前教室・杉浦

不定期冬講日記(その1)

寒波がやって参りました。暴風をともなっているそうです。

冬将軍と冬講が一緒に参りました。ピッタリ一致するのも珍しいです。

「12月に入ってすぐに講習ですか?大変ですね」とか、「もう冬休み、しかも勉強、子供たちこそ大変ですね」とか、いろいろご心配をいただきます。

小生は「今年も12月到来とともに講習を開始できる喜び」に満ちております。

皆さんご承知おきいただきておりますように、冬期講習の授業は強制されたものではありません。通常授業の補完や発展的先取りのために、あるいは受験前の集中特訓のために、特別に決意して受講していただくものです。

今年も「杉浦というオッサンについて行こう」と、師走早々、結集していただいた皆さんに感謝しています。

小生今年も変わらずに頑張る所存です。

石川数学塾大阪
学園前教室・杉浦

不定期冬講日記(その1)

寒波がやって参りました。暴風をともなっているそうです。

冬将軍と冬講が一緒に参りました。ピッタリ一致するのも珍しいです。

「12月に入ってすぐに講習ですか?大変ですね」とか、「もう冬休み、しかも勉強、子供たちこそ大変ですね」とか、いろいろご心配をいただきます。

小生は「今年も12月到来とともに講習を開始できる喜び」に満ちております。

皆さんご承知おきいただきておりますように、冬期講習の授業は強制されたものではありません。通常授業の補完や発展的先取りのために、あるいは受験前の集中特訓のために、特別に決意して受講していただくものです。

今年も「杉浦というオッサンについて行こう」と、師走早々、結集していただいた皆さんに感謝しています。

小生今年も変わらずに頑張る所存です。

石川数学塾大阪
学園前教室・杉浦

大阪通信 Vol.46 配布開始しました -【ただいま読破中!】特集・第二弾です

大阪通信 Vol.46 配布開始しました。いつもどおり、ちょっと覗いてみましょう。

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2)田澤耕『〈辞書屋〉列伝 言葉に憑かれた人々』中公新書

古今東西、辞書編纂人の伝記(伝奇?)を記しております。淡々と記すよりは、センセーショナルに、驚き桃の木…といった趣です。それだけでも十分に面白いのですが、待ってました!の最終章、なんと著者ご自身を自ら〈列伝〉に加えていらっしゃいます。「これまで本書で見てきた偉大な「辞書屋」たちに比べれば、私など「ちっぽけな」という形容詞をいくつ重ねてもまだ足りないような存在でしかない」。大いに控えめな書き出しではありますが、著者ご自身がカタルーニャ語(スペイン語の方言と誤解されることが多いですが、言語圏が地理的に近接しているだけで別系統です)の辞書編纂者でいらっしゃいますから、人生山あり谷あり、幾多の辛酸をなめられたことなど、申し訳なくも大笑いしながら、良き教訓とさせていただきました。辞書ってエンターテイメントなんですね。辞書の魅力を伝えて余りある、心底お勧めの一冊です。

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古代史、中世史、教育史…ばかり読んでおられるのかと思いきや、このようなジャンルにも触手を伸ばしておいでなのですね(笑)。

大阪通信 Vol.46、石川数学塾大阪・学園前教室にて好評配布中です。ご自由にお持ちください。

なお、中入倉庫に大阪通信のバックナンバーが揃っています。今週の大阪通信 Vol.46 も、倉庫からダウンロードできるようになっています。

よっしゃ、いっちょ読んでみたろ!というかた、ぜひ一度、ご覧になってみてください。

石川数学塾大阪
学園前教室長・杉浦