合宿の朝-夏講日記(その28)

三泊四日の合宿から、無事に帰還いたしました。

明日香村に移転して、七年連続のお盆合宿でした。

合宿の朝は早いです。スタッフ、5時起床。前日の反省と、当日の打ち合わせ。部屋長、5時半起床。各部屋起床を促し、注意伝達、教室を軽く清掃しています。

全員6時起床。ラジオ体操と朝の散歩。7時、朝食。

惰眠をむさぼる雰囲気が全くありません。起きた瞬間から、忙しいです。

朝食をおいしく食べて、一日のスタートを元気に切ること。これが目的です。

明日香村の朝は、涼しいです。都会の夜更かし生活を、一撃のもと、粉砕してくれます。

小生は、いつも変わらず、明日香村の朝が好きであります。

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おおもの(4)-夏講日記(その27)

彼は現在、「大御所」しておりまして、めったに表に出てきませんが、たまに出てきますと、舌鋒鋭く、関西の入試業界を斬っております。

彼のことを、いろいろ調べてみました。

私が96点だった採用試験(入試問題の過去問です)、彼は満点だったこと。

いろんな仕事を渡り歩いていたのは、教員免許を取りに行くための資金稼ぎだったこと。

高校には点呼だけ「出席」して、あとは若草山の芝生に寝転んで、好きなだけ好きな勉強をしていたこと。

無口な彼から、なかなか聞きだせませんでした。

この業界に長年いますと、いろんな「すげえやつ」に会えます。

とてつもなく楽しい毎日であります。

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おおもの(3)-夏講日記(その26)

まじめに仕事するかと思いきや、飲む・打つ・買うの三悪三昧。がっかりでした。

まあ、奴をワシが切らんでも、そのうち消えていくやろ、放っとこう…と、惰性の日々でした。

ところがある日のことです。教室責任者が作った、新しい講師配置に、猛然と食ってかかる彼を見ることになりました。

適格?不適格で悪いか?

学歴?無くて悪いか?

俺は誰よりも、この生徒どもを担当したいと思っている。

何故、正当に評価できないのだ?

貴様の目は、どこについているんだ?貴様の耳は、どこについているんだ?

怒髪、天を衝いておりました。彼はさっさと担当者名を自書し、講師配置表を書き換え、悠然と去っていきました。

驚きました。同時に、採用担当者の弁を、強烈に思い出しました。

「見込みがある。鍛えてやってくれ」と。

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おおもの(2)-夏講日記(その25)

かつての「神童」も、ただの人になりはてて、およそ大学進学を望みうるべくもなく、どうしたものかと悲嘆にくれていました。

彼は「役者」になりました。

黒沢映画に出演したことがある…のだそうです。「影武者」の突撃シーンに登場する…とか。

裏取りに、さっそくレンタルビデオ屋へ。問題のシーンを探してみると…。

足軽が一万人くらい、どわぁ~っと走ってくるシーンでした。どれがどれやら、どれが彼やら(笑)。

彼が同僚になるまでに、その他やった仕事と言えば…、某自動車会社の組み立て工場の夜勤とか、取り付け型浄水器のセールスとか…、自称「辛酸なめお」だったそうです。

履歴書を見ただけで「こらあ、あかんわ」と思った小生、採用担当に文句たれましたら、研修かけてみてくださいの一点張りで、埒があきませんでした。

ところがどっこい、採用担当の慧眼が、のちに証明されることになろうとは…。(つづく)

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おおもの(1)-夏講日記

元同僚のお話です。彼も私も、まだまだどっこい、この業界におります。

彼は「神童」と言われたそうです。内申点満点で臨んだ高校入試、当然のごとく合格した県内トップ高で、彼を悲劇が襲いました。

彼は衝撃を受けました。なんと、英語の授業で、先生が英語をしゃべっていたのです。生徒たちも、あたりまえのように英語を話していました。

彼が「神童」と言われた地元の中学校では、英語の授業を英語でしたら、誰もついてこられないため、かなり気合の入った日本語発音で、英語が話されていたのでした。

彼は思いました。「ここは、日本なのか?」と。

その日から彼は、通学することをやめました。

「それでも、せっかく奈良市内に来ているのだから…」と、神仏を拝み、鹿と戯れ、楽しく過ごしたそうです。

卒業…は、したそうですが、そのあとが問題でした。(つづく)

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現実を斬る-夏講日記(その23)

現に目の前に無いものを信じません。

「たら・れば」は論外。幻覚・妄想も、悪意無くても、アウトです。

神仏に恨みはありませんが、カール・マルクス曰く「アヘンである」と。

現実の諸関係を、信仰の彼方に追いやると。

「願えばかなう」と、かなり強く感じています。しかしながら、突飛な「願い」は、ありえません。

願わねばならない環境に置かれ、願わざるを得ないとしても、させられて願うことと、主体的に願うことは、天と地に離れるものだと思います。

克ち取る前提は願い、願いそのもの、いや、願わざるを得ない己。

何かを克ち取る人は、こうして生まれるのだと思います。

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おじさんマシーン-夏講日記(その22)

幼いころから乗りたかったスポーツカーに乗っています。

「マクラーレン・ホンダのターボでしたっけ?」と聞かれます。いえいえ、F1マシンは我が国の公道を走れませんです、はい。

一見、おとなしそうな白いセダンですが、ぶおおうん~!とアクセルを踏みますと、ビュッと走ります。

お好きな方がたくさんいらっしゃるようで、けっこう後ろからついてこられますが、ビュッと振り切ります。

対向車線に同じような車を発見しますと、ついつい目配せしてしまいます。一瞬、アイコンタクトで話しております。

小生と同じく、おじさん世代のドライバーが、圧倒的に多いことに驚いてしまいます。

本気出したら、こっちの方が速いと思うと、無理にスピードを出すことがなくなりました。

おじさんたちは、今日も安全運転で、いかついマシンを吹かしております(笑)。

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誤報-夏講日記(その21)

「奈良に巨大地震」との誤報が、携帯電話に配信されたと、生徒が驚いておりました。

単なる偶然に過ぎませんが、講習期間になると目立つような気がします。今回は、落雷が引き金になったとか。

不正確な情報が、独り歩きすることは困ったものですが、いよいよ忘れたころにやってきてから、「あと20秒で生き残れ」などと配信されるよりも、誤報に注意喚起された方がましかもしれないと、奇妙な考えに至りました。

災害に対して忘れずに備えることが、最高の対策だと思えます。

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とにかくてくてく-夏講日記(その20)

夏講もそろそろ折り返し点に来ました。

勉強もどんどんはかどりますが、運動不足も積もり積もって、そろそろ危険な領域に突入します。

小生は生来体が硬いので、放っておくと筋肉がこわばり、腰にグギッと来てしまいます。

これを避けるために、とにかくこまめに歩いていますが、夏講連日となると、思い通りに行きません。

ですから日曜日に、まとめてドカンと歩きます。

一昨日も明日香村、奥飛鳥天空の村といわれる入谷を往復して、真神ヶ原から香具山を往復、最後に甘樫の丘を越えて駐車場へ。

明日香村鉄板コースと名づけています(笑)。

奥飛鳥の「さらら」さんと、真神ヶ原の団子屋さんと、香具山のソフトクリーム屋さんが目的では?

いえいえ、挫けそうになると、お世話になる程度です。ご心配、ありがとうございます(笑)。

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理想-夏講日記(その19)

仁愛を以って、為政の理想とする、こう思い至って十年が過ぎました。

階級闘争を不可避と考える、ただ熱いだけの青年は、ただ暑苦しかっただけの日々を反省しました。

大王は人々のために祈り、人々は大王を敬う、祭政一致の理想郷が、他ならぬこの国にあったことを知り、驚きました。

不勉強だった己を恥じました。

教室に集う者たちは、「特別権力関係」に規定されているという理論があります。

なるほど確かに、移動の自由は基本的人権などと、むやみに机を離れる生徒は、叱咤激励、可愛がられてしまいます(笑)。「権力関係」とは、言い得て妙です。

しかしながら、それだけで良いのでしょうか。十分なのでしょうか。

上位者が愛しみ、下位者が敬う、この関係なくして、「権力関係」は機能するのでしょうか。

自問自答の日々が続きます。

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