夏講日記(その20)-留め置かまし 大和魂-

懐かしいことを思い出しました。と申しましても、大昔のことではありません。

土曜の午後の授業を終え、夕方の懇談を終え、教室を閉める準備をしていまして、ふっと思い出しました。

ちょうど一年ほど前でしょうか、同曜日、同時間帯にお母様と娘さんが入っていらっしゃいました。

小生を発見されるなり、「いらっしゃった!いらっしゃった!良かった!良かった!」と。

小生、奮闘努力の結果、お喜びいただいたこと、数知れませんが、教室にいただけで喜ばれたのは初めてでした。

驚きました。と同時に、記憶がよみがえって参りました。

ご訪問いただいた時から、更に一年数か月前、二月にしては暖かな日だったと思います。

近鉄奈良駅付近、東向北商店街を、妻と歩いておりました。

先ほど二人で食べておりました大仏うどんのことなど語らいながら、寒い季節は鴨汁つけ麺に限るとか、かき揚げの単品にはアクセントが効いているとか、注文してから時間がかかったのは鴨を採りに行っていたからにちがいない(笑)とか、他愛もないことをしゃべっておりました。

小生は古本屋へ、妻はケーキ屋へ、一瞬視線がクロスした時、視線の先、道路に落下した財布が見えました。

示し合わせたわけでもありませんが、二人ともダッシュしておりました。財布を拾ったときには、落とし主と思しき親子が20mほど前方に、歩き去っておりましたが、これまた示し合わせたわけでもなく、大声で親子を留めながら、財布を届けました。

お聞きしますと、奈良女子大学の2次試験を受験しに、島根県からいらっしゃったかたでした。一万円札が三十枚ほど入った財布が、ずしりと重かったです。「受験ですか?霊験あらたかな名刺をどうぞ。今後も何かありましたら、お電話していらっしゃい」。小生の名刺を渡しておきました。「霊験?…はい、保証の限りではありません」と、妻に笑われましたが。

さて冒頭の親子さんです。

「いつぞやは、お世話になりました。もっと早くお礼に伺うべきにもかかわらず、遅れました。申し訳ありません。」

「娘も、あの時の入試で、無事合格させていただき、財布を拾っていただきましたのと、すてきな名刺をいただきましたのと、ずっと感謝いたしておりました。ありがとうございました。」

仁義に厚い、すばらしいお二人でした。ほんの少しでもお役にたてましたなら、望外の幸せです。

今ごろ娘さんは三回生になられたでしょうか。残念ながら、お名前をお聞きし忘れました。

この記事をご覧でしたら、久しぶりに遊びにいらっしゃいませ。お待ちいたしております。

石川数学塾大阪
学園前教室・杉浦

夏講日記(その19)-留め置かまし 大和魂-

懐かしい方にお会いしました。二十数年ぶりです。

昨日・本日と、学園前教室の入っているビルに、ちょっとした工事が入りました。管理組合理事会から、工事の差配・確認のため、授業の合間に何度か現場を見せていただきました。

17時、工事終了。実は日程がずれ込んで、「本日、全工程終了」とはならなかったのですが、とりあえず現状確認に参りました。

現場で住人のかたと遭遇し、工事の必要性や今後の日程をご説明しながら…。

不躾ながら何故か「このかたに、以前に説明したことがある…」と思えて仕方なくなってきました。

そうこうしている間に「先生、お久しぶりです」の一言をいただきました。「〇〇(前職の大手塾です)の富雄校でお世話になっていました。△△△(某私立一貫校です)内部進学クラスを担当していらっしゃいましたよね」。

なるほど、「説明したことがあ」ったではなかったのですね、「授業をしたことがあった」が正解でした。

「二十五年ぶりですか?いや、もっとですかね?」

「理事会役員名簿に、お名前を見かけまして。まさか?いや、そんな?しかし?やはり…と、逡巡していました」

「懐かしいですね。お住まい、こちらでしたっけ?」

「はい、生まれも、育ちも。富雄には、電車に乗って、わざわざ通ってたんですよ。」

工事の話はさておき、昔話に盛り上がってしまいました。

学園前教室にお世話になって15年、こんなにお近くに、故あるかたがいらっしゃったとは…!。

時の流れが止まったように、若さと元気を取り戻すようでした。ありがとうございました。

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学園前教室・杉浦

夏講日記(その18)-留め置かまし 大和魂-

真夏の夜に見る夢には、本当にはかない夢なのか、実は一丁前に現(うつつ)なのか、何とも判じがたい不思議な色がついています。

幼いころによく見た夢です。気持ち良く大空を滑空していると、突然のエンジントラブルに見舞われ、まっさかさまに急降下。顔面が風を切る抵抗感に、リアルな感覚があります。地面にたたきつけられる直前、短い一生が走馬灯のように走り抜けていったとき、叫び声とともに目が覚めるのです。悪夢は決まって紫色でした。

これも幼いころから、初老の今まで見続けています。うっそうとした深い山、中腹あたりにつながる獣道、ずんずんと進んでいくと集落、集落の中心に古井戸、なぜか生活臭の全くしない村民と、掘立小屋のような実家と。にぎわいと笑顔あふれる日中、し~んと静まり返った真夜中。オオカミの遠吠え、西の空に満月。翌日再び朝日が昇るとは思えないほどに、凍りついた情景。不気味な記憶は、決まってセピア色でした。

なんだかスカッとしない夢が多かったのですが、40台に突入してから見始めた夢は、ひたすら陽気でした。南京玉すだれのテーマソングに乗って登場した小生、歌って踊ってエンターテイメント、疲れたら眠り、美食の限りを尽くし、幸せ生活100%貫徹します。これは真っ青な夢です。いや正確には、真っ青な背景に浮ぶ千切れ雲に、小生が同化してしまっているのです。

何でこんな色なんでしょう。謎は深まりばかりです。

しかしながらいつぞや、阿部謹也『ハーメルンの笛吹』を読むにつけ、謎は謎のままであってこそ趣深いこともある…と。

敢えてこじつけることをせず、あるがままに謎を楽しもうと思っています。

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学園前教室・杉浦

夏講日記(その17)-留め置かまし 大和魂-

「合宿が楽しみです」というお話を、たくさんいただきます。はい、私も楽しみです。

夏合宿という「非日常」を経験することで、ナニモノかに変身できるのではないかと思えてしまいます。変身まではできなかったとしても、根性鍛え直されてしまうのではないかとも思えてしまいます。魅力いっぱいです。

どんな合宿であってほしいのか…と言いますと、言い古されてはいますが、こんな希望を持っています。

まず何よりも、学力をつける合宿であってほしい。

毎日を勉強メインで組んでいますから、あまりにあたりまえですが、せっかくの合宿ですので、超長丁場で、密度濃い機会でなければできないことを、やりきってほしいと思います。

先輩たちの中には、生まれてから今日までに履修した理・社のテキスト・テストを持ち込んで、ずんっと積み上げ、片っ端から解いていったとか、死んでも解くと決めた算数の難問50題を、冷や汗と脂汗にまみれながら、おもいきり解き続けた…などという剛の者もいました。参考にしてください。

つぎに、生活力を鍛え直す合宿であってほしい。

早起きはあたりまえ。ダラダラせずに、しっかり体操。おいしい朝ご飯と、濃い朝勉強。疲れを感じさせない昼ご飯と、睡魔をせん滅する昼勉強。早めの夕食、さっさとお風呂、就寝準備まで軽くいなして、ヘビーな夜勉強。

一連の生活が「こんなふうだったらいいのにな!」と、思っていてもできなかった毎日を実現してほしいのです。

「やればできる!」という実感が、何よりも貴重なのです。

最後に鍛えあう合宿であってほしい。

孤独に頑張ることも悪くはないですが、ややもすると自分に甘え、見失うことになりかねません。「皆がんばっているのだから、自分だけ脱落するわけにいかない」という緊張感が、あきらめていたかもしれない新次元への一歩を、踏み出せる勇気を与えてくれます。

誰にとっても「こうすればできるハズ」は、しょせん絵空事ですが、「実際にできた」は「やればできる」という実感の証左となるのです。

合宿を乗り越えてのち、「あの時できたことだ。今からやってもきっとできる」と、自信を持って言える人になりましょう。

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夏講日記(その16)-留め置かまし 大和魂-

初めからうまくいくことが、少ない世の中です。およそものごとは、うまくいかなかったり、うまくいきそうもなかったり…といった、かなり悲観的な展望から出発するものかもしれません。

だからこそ人は、そんな後ろ向きな時代を支えてくれた人々に、感謝の気持ちを忘れないのでしょう。

中学入試の部屋を始めたころ、生徒の皆さんに乞われて開講した夏期講習で、都合51コマ(1コマ=2.5時間の授業、ひとりあたりです)を売り上げさせていただきました。ほぼ10倍売り上げることも珍しくなくなった昨今でも、初めて講習授業を受けに来て下さった皆さんの、期待に満ちた横顔を忘れません。

勇んで始めた通常授業でも、やる気ばかりが空回りしていたようで、受講生数がずっと1人だけという曜日がありました。小生とサシの授業などと、たいへんなプレッシャーであったろうにもかかわらず、授業を受け続けてくれた生徒に、今でも感謝しています。

夏合宿も、またしかり。第1回では小6生14名、小4生2名、小生も含めて17名が、嵐のように合宿所を襲い、ガンガン勉強して、たった一泊で帰ってきただけでした。今にして思えば稚拙のそしりを免れないであろうと思いますが、「楽しかった」「気合いが入った」「お土産、ありがとう」と、懐かしく思い出していただけることが、老いてゆくわが身の支えになっています。

初めからうまくいくことなど、無いと思った方がいいでしょう。それゆえにこそ、「やる気」の蛮勇を支えてあげたいと思います。

他ならぬ私が支えていただいたことへの、ささやかなご恩返しとして。

石川数学塾大阪
学園前教室・杉浦

夏講日記(その15)-留め置かまし 大和魂-

文系・理系選択に迷っている生徒さんも多いでしょう。小生聞かれると、こんなふうに答えています。

「どっちを選ぶも、やりたい学問、なりたい仕事に依ること第一。数学の得手・不得手で、決めるものと違います。」

「大雑把にいって、手に職の理系、学問の文系。医者や薬剤師がいなければ、困る患者多数。しかし国文学や西洋史を知らなくて、危篤になる人はおりません。」

「そうは言うものの、人はパンのみにて生くるに非ず。豊かな食卓は、豊かな心あってこそ。」

「え?儲かるのはどっちかって?学歴におんぶ・だっこで、一生食ってける時代じゃありません。誰しも究極信じられるのは、己の細腕二本のみ。文・理どちらでも同じこと。」

「小生に引きつけて言えば、必要なのはチョーク一本(現状ボールペン一本)、腕一本、脳みそひとつ、机といすが各々一個。これまた、全く文・理を問わず。」

「大事なことは、悔いのない選択をすること。文学部に行っときながら、化学者になりたい…は、ありえない。理学部に行っときながら、歴史学を究めたい…も、ありえません。」

「のちに悔いるくらいなら、今、沈思黙考しよう。やりたいことを思う存分できる人がすばらしい人、できる環境がすばらしい環境、ただしすべて自己責任、他人のせいにするんじゃないよ。」

それでも決めかねている皆さんに。究極のお勧めです。

「優柔不断?いえいえ、大いなる大地は、そんな君たちを待っている。遥か3・4世紀、我邦『倭国』に、民族の理想とすべき国家があった。大王は人々のために祈り、人々は大王を敬い…。さあ、論より証拠、実証するために掘ろうではないか。君が進むべきは、文学部考古学科への道だ!」

残念ながら、「お~!」と叫び、「だ~!」と走り出す生徒に、未だ巡り会っておりませんが、何か心に響くものがある言葉のようです。いつにもまして、深く考える皆さんが、眼前にいます。

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夏講日記(その15)-留め置かまし 大和魂-

文系・理系選択に迷っている生徒さんも多いでしょう。小生聞かれると、こんなふうに答えています。

「どっちを選ぶも、やりたい学問、なりたい仕事に依ること第一。数学の得手・不得手で、決めるものと違います。」

「大雑把にいって、手に職の理系、学問の文系。医者や薬剤師がいなければ、困る患者多数。しかし国文学や西洋史を知らなくて、危篤になる人はおりません。」

「そうは言うものの、人はパンのみにて生くるに非ず。豊かな食卓は、豊かな心あってこそ。」

「え?儲かるのはどっちかって?学歴におんぶ・だっこで、一生食ってける時代じゃありません。誰しも究極信じられるのは、己の細腕二本のみ。文・理どちらでも同じこと。」

「小生に引きつけて言えば、必要なのはチョーク一本(現状ボールペン一本)、腕一本、脳みそひとつ、机といすが各々一個。これまた、全く文・理を問わず。」

「大事なことは、悔いのない選択をすること。文学部に行っときながら、化学者になりたい…は、ありえない。理学部に行っときながら、歴史学を究めたい…も、ありえません。」

「のちに悔いるくらいなら、今、沈思黙考しよう。やりたいことを思う存分できる人がすばらしい人、できる環境がすばらしい環境、ただしすべて自己責任、他人のせいにするんじゃないよ。」

それでも決めかねている皆さんに。究極のお勧めです。

「優柔不断?いえいえ、大いなる大地は、そんな君たちを待っている。遥か3・4世紀、我邦『倭国』に、民族の理想とすべき国家があった。大王は人々のために祈り、人々は大王を敬い…。さあ、論より証拠、実証するために掘ろうではないか。君が進むべきは、文学部考古学科への道だ!」

残念ながら、「お~!」と叫び、「だ~!」と走り出す生徒に、未だ巡り会っておりませんが、何か心に響くものがある言葉のようです。いつにもまして、深く考える皆さんが、眼前にいます。

石川数学塾大阪
学園前教室・杉浦

夏季限定!英語の講習が好評です。

毎日うだるような暑さが続きますね。こんな夏は石川数学塾大阪の夏期講習に参加して、    日頃の課題や夏休みの課題を、詳しい解説でスッキリ解決されてはいかがですか?

 

上本町教室では、通常授業にまだ英語は開講していませんが、この夏期講習限定で英語の講習を開講しています。おかげさまで、好評のうちに席がどんどん埋まっていますが、若干のお席がご用意できる日程があります。

 

ご紹介させていただきますと、

7/24()1000~ 7/27()1800~ 7/29()1800~ 8/6()1000

となっています。各時間とも若干名ですので、埋まり次第締め切らせていただきます。

行違いで満席となりました場合はご容赦ください。

 

石川数学塾大阪の夏期講習は通常授業と同じく、生徒一人ひとりの習熟度やスケジュールに合わせて、カリキュラムの内容や受講の日時・回数が決められます。

 

みなさんのご参加をお待ちしています。

上本町教室 中土井

石川数学塾大阪 夏期講習へ

夏季限定!英語の講習が好評です。

毎日うだるような暑さが続きますね。こんな夏は石川数学塾大阪の夏期講習に参加して、    日頃の課題や夏休みの課題を、詳しい解説でスッキリ解決されてはいかがですか?

 

上本町教室では、通常授業にまだ英語は開講していませんが、この夏期講習限定で英語の講習を開講しています。おかげさまで、好評のうちに席がどんどん埋まっていますが、若干のお席がご用意できる日程があります。

 

ご紹介させていただきますと、

7/24()1000~ 7/27()1800~ 7/29()1800~ 8/6()1000

となっています。各時間とも若干名ですので、埋まり次第締め切らせていただきます。

行違いで満席となりました場合はご容赦ください。

 

石川数学塾大阪の夏期講習は通常授業と同じく、生徒一人ひとりの習熟度やスケジュールに合わせて、カリキュラムの内容や受講の日時・回数が決められます。

 

みなさんのご参加をお待ちしています。

上本町教室 中土井

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夏講日記(その14)-留め置かまし 大和魂-

平均して数週間に一度のペースでしょうか。一寸、ワケあり会議に出ています。

奈良盆地を囲う東の青垣を超えて、大和高原も幾山々超えて、広大な人造平原みたいなところまで車を走らせます。

予定通りの駐車スペースに、順繰り停めていきまして、一通りメンバーがそろったら、携帯電話を某音声交換サーバーに接続します。

スマホですとしゃべってる本人たちの動画まで交換できるそうですが、小生ガラケーですから音声のみです。

小生堂々と大きな顔してしゃべっておりますが、中には覆面やサングラスで顔を隠しているメンバーもいます。

かと思うと、会議途中で車を出て、食べ物や飲み物を買いに行ったり、一服してくるメンバーもいます。

会議への参加スタンスが微妙に違いますのは、それぞれ置かれた状況によるものと思われます。会議に参加したことが、ばれると困る方もいらっしゃるのでしょう。

それではいっそのこと、どうせ携帯会議なら、無理に参集せずともよろしかろうと?いえいえ、替え玉参加をチェックするには、参加メンバーの実在確認が不可欠です。下手すると、携帯を乗っ取られているかもしれませんからね。

肝心の会話の中身ですが、業務秘密につきお話しできません。ふざけた内容ではありませんから、ご安心ください。

参加メンバーは全員、小生と業界を同じくする者たちです。ご想像の通り、何らかの業界トークが語られているのでしょう。

直近の会議が、かなり白熱しまして、深夜終了、疲労困ぱい、上弦の月が西の空に傾きかけておりました。

「東(ひんがし)の 野にかぎろひの 立つ見え…」…見えへんのは、なんでやねん?「かへり見すれば、月傾」いとんのに…と、ボ~と考えておりました。

なるほど、(柿本)人麻呂が詠んだのは、まぎれもなく満月で、満月が西に傾いてこそ、太陽が東から顔を出すのであって、上弦の月には、期待すべくもないことだ…と、クリアに考えられるようになるのを待ってから、車を走らせて帰ってきました。

西の空、上弦の月が、大きく美しかったです。

石川数学塾大阪
学園前教室・杉浦