不定期冬講日記(その17)

過去問を一生懸命こなしている受験生たちは、しばしば悪魔に出会うと言います。

悪魔?何のことでしょうか?

悪魔はささやきます。

「苦労せんでもええでぇ。わかったことにしとき!」

「赤本、ほんの数ページ繰ってみぃ。正解書いてるやろ。写しとき!」

「目ん玉、開けたまま寝られんねんでぇ。練習してみ!」

「成績記録?偽造したらええやん。いちいち調べられへんから!」

悪魔と折り合うのは論外です。交渉するだけでも、重罪です。

昔、こんなことがありました。

「うををぉぉ!」と叫んだQくんに、理由を尋ねてみましたら、

「悪魔が…、悪魔が…、今、目の前を通り過ぎました。シッポが見えました」。

「そうかい、通り過ぎただけで良かったね。悪魔は君の心の隙間に忍び込んでくるのだよ」。

冬講受講生一同、悪魔と闘い中です。

石川数学塾大阪
学園前教室・杉浦

不定期冬講日記(その16)

毎日個人的に、日報をつけています。

授業中あったことから、深く思い出に残りそうなこと、すぐに忘れてしまいそうなこと、笑ったこと、怒ったこと、ほめたこと、叱ったこと…、思いつくままに、打ち込んでいます。

パソコンを使い続けて、もう二十年。衰えていく記憶力を、ITが補ってくれます。

どんな小さな記事にも、関係ありそうなタグを埋め込んでおきます。忘れてしまったことも、タグを手掛かりに遡って抽出できます。

小生、勉強を教え始めて39年になります。「うまくいった」とか「喜び」とか、そんなタグが増えていくのは、きっと年の功でしょう。

「しまった!」とか「要反省!」とか、そんなタグがほとんど減らないのは、まだまだ若造の証左だと自戒しています。

一年に一度だけ、あらゆる記事に、ただ一種類だけのタグをつける日があります。

中学入試統一日の前日、「明日は全員合格!」。

今年度もおもいきりこのタグをつける日を楽しみに、がんばろうと思っています。

石川数学塾大阪
学園前教室・杉浦

不定期冬講日記(その15)

入試が近づいてきました。

親御さん、ご心配はごもっともです、しかし過保護はいけません。

受験生が自分でやるべきことを、代わりにやってあげるとか、浮いた時間で勉強時間を確保とか、論外です。

なぜか?…といいますと、子供たちは一度経験した入試の在り様を、のちの人生に何度も再現する…経験的に、かなり正しく、そうだと言い切れるからです。

中学入試と同じように、高校入試を迎え、大学入試を迎え、入社試験に挑み、昇進試験を受け…、さて、親御さん、いつまで長生きできますでしょうか(笑)。

ですから、過保護はダメです。

「歴史は、二度繰り返す。一度目は悲劇として。しかし二度目は茶番として。」

(カール・マルクス『ルイ・ボナパルトのブリュメール十八日』)

悲劇をあらかじめ予測し、用意周到に避けられるからこそ、人は賢いのです。

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学園前教室・杉浦

不定期冬講日記(その14)

週に一度の休講日。毎週日曜に設定しています。

「師走」だからなのか、「師走」であるべきだからなのか、寒いなかジッとしていればよいものを、あれこれ歩き回ってしまいます。

奈良マラソン、帰路、登大路交差点にて。猛然と走ってきたランナーが叫びました。

「うを~!練習不足じゃい!来年こそ、やったるわい!」。

志や、善し!思わず、ハイタッチで激励しました。

真冬の衆院選、小選挙区に敗北、比例復活当選の若者。

「働ける機会を与えていただき、ありがとうございました」。

選挙といえば、もう十数年前。急死した親父さんの弔い合戦に担ぎ出された息子。

「親父の小選挙区を守り抜く。親父の理想実現のためには、敵に一議席たりとも渡しはしない!」

すばらしい若者たちを見るにつけ、この国もまだまだ捨てたモノじゃないと思えます。

若者たちに感謝します。

石川数学塾大阪
学園前教室・杉浦

不定期冬講日記(その13)

同志であり同僚であった男が、まだ教育業界にいると知って数年経ちました。

小生は塾屋、彼も塾屋、ただし元塾屋です。彼は現在、某有名中高一貫校の看板教師です。

涙もろい男でした。合否危ない生徒が入試に通ったと言って泣き、生徒が卒業してしまうと言って泣き…なんだかいつも泣いていました。

授業が終わって後片付け、さあ帰ろうとしたら、講師室の奥のロッカーの隅で泣いていました。

「○○先生、どうされたんですか?」と聞きますと、真っ赤に泣きはらした目で、小さな声で、「生徒が…、宿題が…」とポツリポツリ、ボソボソと話し始めました。

「宿題、やってきぃひん生徒がいるんですね。そんなん、私の教室に放り込んでください。宿題の何たるか、わからせたりますわ、はははぁ~!」

「いや…、ちがうんです。…やってきたんです」。

「じゃあ、なんで泣いてはるんですか?」

「うれしくて…。なんぼ叱ってもだめで、授業後に残しても逃げ帰り…。そんな生徒が、心を入れかえて…、もう、うれしくて…」。

繊細な男でした。生徒の気持ちに一番敏感な、すばらしい男でした。

彼もまだまだ、老いぼれるつもりはないと思います。小生も負けずに頑張ります。

石川数学塾大阪
学園前教室・杉浦

物理・化学・理科・英語も開講しています!

冬期講習の多数のお申し込みありがとうございます。

数学塾と言うと、数学・算数のみしかやっていない様に
思われるかもしれませんが、当教室では数学・算数のみならず、
同様の形式で物理・化学・理科・英語も開講しておりますので
ぜひぜひご参加ご検討下さい。

特に、大学受験生、高校受験生は、この時期からでも伸びしろのある
物理・化学・理科に力を入れて学習される事をおすすめします。

高の原教室 飯尾

【冬期講習】上本町教室の独自開講日が決まりました。

いよいよ、12/15()より冬期講習に突入します。

今回は上本町教室の独自開催日のご案内をさせていただきます。

 

日 程:20141228()201513()4()11()12(月・祝)

時 間:いずれの日程も、午前10001230 午後130400

費 用:冬期講習に準ずる

 

この一年をしっかりと締め括り、来るべき新しい年のスタートを気持ちよくきりませんか?

 

皆さまのご参加をお待ちしております。

上本町教室 中土井

★不定期冬講日記★ -連載中-

こんにちは。石川数学塾大阪・学園前教室の杉浦です。

さっそくですが、冬講日記を連載しております。不定期のつもりでしたが、ほぼ毎日書いております。

何故このように、わざわざお伝えしているのかと申しますと、HPトップの小窓(カテゴリー・お知らせの題名のみピックしています)には表示されないように設定してあるからです。煩を避けるためです。

カテゴリー・学園前教室をご覧になってみてください。

大阪通信休載中、書き綴っていくつもりです。お楽しみに!

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不定期冬講日記(その12)

「劇的」な合格!…ではなかったのでしょう。むしろ地味目だったと思います。

三年前、決してあきらめない受験生がいました。

模試の判定が良かったわけではありません。むしろ悪かったです。

人並み外れた体力があったわけでもありません。むしろなかったです。

しかし決してあきらめない受験生でした。

受験前日、夕刻に登場した彼は、自分自身にビンタ数発、「気合いを入れ」てから始めました。

睡魔と闘うために、椅子を取って膝立ちになりました。

それでもしつこい睡魔を覆滅すべく、なんと机の上に正座して勉強しました。

しばらくして叫び声が聞こえました。

「うぉ~!ををををぉ~!」

叫び声を残して、彼は机から落下しました。

「大丈夫か?」と覗き込まれても、ひょうひょうとしておりました。

「睡魔に勝ちました!がんばります!」

また猛然と勉強しました。

彼は今、奈良県下最難関の六年一貫校に通っています。

きっと今も、あの頃のように、自分に厳しく、妥協なく、まっしぐらに歩んでいることと信じています。

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不定期冬講日記(その11)

彼は困っていました。

「過去問、解いてみたんですけど、1割2分くらい(合格最低点に)足りないんです。きれいにどの教科もです。(僕は)実力が無いのでしょうか?」。

小生は言いました。

「実力=得点だろうか?過去問に慣れること、これに実力を加味して得点だと思うが、いかがだろう?過去問を始めたのはいつだい?」

彼は答えました。

「最近です。模試も含めて、過去問に触れる機会が、今まであまりなかったです」

小生は諭しました。

「入試問題を出題する側は、得点で実力を測りたいと思っている。模試を出題する側も、同じだね。しかし出題される側も、だんだん学習してくる。得点を取ることで、実力をアピールしたい。できうるなら、実力を上回る得点を稼ぎ出せれば、それも実力と見なされるに違いない。それには出題に慣れるしかない。そう考えて秘かに過去問を解いている人たちが、たくさんいるのだよ。」

「今からでも遅くない。今期の出題が予測できるほどに、過去問をやりこなしたまえ。君の実力をじゅうにぶんにアピールできる時が来るからね。」

入試には時として、隠されたテクニックを知るように促されます。テクニックに走り、おぼれ、自滅することは愚かの骨頂ですが、必要悪を行使することは、むしろ不可避なことではないでしょうか。

あまつさえその必要悪に、なんらかの動かさざる真理があり、隠された事実があるのなら、むしろ積極的に白日の下にさらし、闘いの刃に資することが、必要悪にとっても本懐…そう考えています。

石川数学塾大阪
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