願-冬講日記(34)

ネットの動画ニュースで、久しぶりに元総理大臣お二人のご尊顔を拝しました。

脱原発を加速させるために、ご出馬であらせられるとか。

たしかに、ご隠居でいらっしゃたり、陶芸家でいらっしゃったりと、残りの人生満喫モードが見え隠れです。

政界では、こんなお二人を「生臭い」などと揶揄するのだそうです。「今度は何を仕掛ける気じゃ?」と。

言われてみればなるほど、昨年の総選挙で、野党第一党を引っ掻き回して分裂に追い込んだ闇の紳士に…、はい、これ以上は「言わぬが華」でしょうか。

私は少し違った見方をしております。

年老いて次の世代に残してあげられるものを見渡すと、家屋敷や現金など、浮世のあれこれをはるかに凌いで気になるものがある、それはまさにこの国の「風土、海、山、空気、風」、すなわち森羅万象なのではありますまいか。

いつかこの日記にも引かせていただいた菅原文太さんの言によれば、およそ「国家のものではない」もろもろということになります。

のちの世代に、このような森羅万象を譲り渡すとき、ひとたび暴走したら誰もコントロールできなくなるようなものを受け継がせたくない、お二人の振る舞いに、そんな思いを読み取ったとしたら買いかぶり過ぎでしょうか。

教育も同じです。

受け継がなければならないことを次の世代に教え、受け継がせたくないものを葬る、いつの時代にもまっとうな教育とは、そういうものでありました。

今日もモノを教える者として、肝に銘じたいと思います。

石川数学塾大阪
学園前教室・杉浦