無-冬講日記(15)

身近なところから、いろんなモノが無くなり、身近にいる人たちが、ある日突然いなくなってしまったら、いったい私はどうしているだろうと思うことがあります。

おそらく真っ先に思いつきますのは、徹底的に「お気楽太郎」な生活。好きな本を読んで、好きな文章を書いて、好きに教えて、耕して、掘って、料理して…毎日が過ぎてゆく。

恐れ入ります。単なる妄想モードでしたでしょうか。

少し冷静に考えてみますと、「再構築次郎」な生活。モノをもらってきたり、買ってきたり、作ったり、人を呼んだり、呼ばれたり、会ってみたり、交友し始めたり。

いやはや、あまりに現実的すぎますね。

結局、落ち着き先は…と言いますと、無くなったモノを取り戻そうとしたり、いなくなった人を呼び戻そうとしたり、要するに私は、自分を取り巻く世界を、元に戻そうとするのでしょうね。

こんな空想実験をしてみますと、改めて「現在」のありがたさがわかるものです。

ややもすと疎まれがちな「今」こそが、最も心地よい空間であるとわかる、これほど幸せを醸しだす瞬間に、今日も感謝しています。

勉強も同じだと、私は思うのです。

無い物ねだりの妄想に憑りつかれた時や、現実という名の重圧に押しつぶされそうになった時、あれもこれものすべてが、代えがたく貴重な経験であると思えるましょう。

勉強って本当にすばらしいですね。

石川数学塾大阪
学園前教室・杉浦