厳-冬講日記(14)

彼は毎朝、あのコンビニにいます。私も毎朝、買い物に行きます。

彼はコンビニに入って来るなり、大きなリュックをドカリと下ろし、財布を探します。財布が見つかったら、おつりが無いように現金を準備し、パンを一個買います。買ったらそそくさと隅っこにダッシュして、パンをしまい、財布を直します。

次に彼は、飲み物を買います。大きなリュックから、もう一度財布を出し、ペットボトル一本を勘定してもらいます。買い終わったら、また財布をしまい、飲み物をなおします。

彼はこれを繰り返して、ひとつひとつ買い物するのです。

店員さんもよく判っており、決して彼を疎まず、一回一回「いらっしゃいませ」、「ありがとうございます」を繰り返します。

彼は買い物し終わると、満面の笑みを浮かべて、スキップしながら退店します。

お客さんたちは、初めてみると目を白黒させますが、事情を理解すると温かく見守ります。

何かとギスギスしがちな年末、私も含めてホッとする瞬間です。

勉強も同じです。「サッサとやれ!」とか、「段取り踏め!」とか、必ずしもそればかりでなくていいのではないでしょうか。

愚直だなどと言われようとも、大事なステップを一つ一つ踏むこと、むしろ勉強するときにこそ大切なことに違いありません。

石川数学塾大阪
学園前教室・杉浦