解-夏講日記(その20)

「たった一つの解き方しか許さないなんて、ずいぶん矮小な話だね。」

「解ける方法が正しい方法だと、私は常々思っている。正しさは、人それぞれだ。」

「それにもかかわらず、たったひとつに決めなくちゃいけないなんて、たいした異常事態だ。たった一つに決める人なんて、ヒトラーみたいなファシストだ。」

「ヒトラーが解き方あれこれ言う前に、私は現に目の前で解いてあげるよ。」

「よし!」と思ったら、真似してね。「学ぶ」こととは「真似ぶ」ことだからね。

「あなたにベストの解法が定まれば、それこそオンリーワンだよね。期待しているよ。」

「ところで、俺様の解法しか許さん!とか言った狭隘な輩は、どうしてくれようか?」

「ひょっとして、自己主張はできるけど、他人に耳を貸せない、そんな典型的な人かもしれないね。」

「可哀想な人かもしれない。猛省を促そうじゃないか。」

何のことかといいますと、「教えた解き方しか許さない」と、どこかで脅されてきた皆さんに、普段小生がかけている言葉です。

長々と聞き終わったころ、子供たちの表情が、パッと明るくなる瞬間が好きであります。

石川数学塾大阪
学園前教室・杉浦