雪-春講日記(3)

春なのに…関東平野部では、積雪だそうです。奈良もミゾレ交じりの雨、昨夜からキ~ンと、寒くなってまいりました。

雪と言えば万葉集に、昭和天皇が愛された歌があります。詠み人は天武天皇です。妃の藤原夫人(ふじわらぶにん)に、宛てたものです。

わが里に 大雪降れり 大原の 古(ふ)りにし里に 降らまくは後(のち)

我が浄御原宮(きよみがはらのみや)に、大雪が降ったのだよ。あなたの住む、大原の古びた里には、あとで雪雲が流れていって、雪を降らせるのだろうね…と、そんな意味になります。藤原夫人が住む大原の里を、茶目っ気たっぷりに茶化しているわけですね。

明日香村の大原と言えば、夏合宿の拠点=飛鳥寺研修会館から指呼の間、鎌足産湯井や藤原廃寺などあり、中臣氏の拠点地域でありました。中大兄と鎌足は、大原経由で南淵山に通い、漢人請安と乙巳のクーデターを画策したといいます。

もちろん浄御原宮跡からも至近距離、雪が降った降らないでもなかろうか…と思います。

天武天皇おそらくは、藤原夫人にゴロニャンしたかっただけかもしれませんが、実はこのあと手痛いしっぺ返しを食らうのですね。

そのお話は、また明日にでも…。

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