真夜中に見た夢は、さっさと忘れますが、明け方に見た夢は、けっこう覚えています。
最近よく見る夢です。
段築、葺石も鮮やかな、できたてホヤホヤの箸墓に、オウがたたずんでいます。オウは真紅のマントを羽織っています。
オウは前王・卑弥呼をたたえ、王位継承を宣言し、連合王国に栄えあれ!と叫びます。
人々は歓声をもって迎えます。
脇侍二人のオウが、交互に進みます。
向かって左のオウは、マントを直弧紋で染め上げ、特殊壺を掲げて進み出ます。
吉備を統めるオウであること、連合王国を支えることを、自ら人々に誓います。
人々はより多くの歓声に包まれます。
向かって右のオウは、マントを水銀朱に染め上げ、S字口縁壺を掲げて進み出ます。
尾張を統めるオウであること、吉備のオウと同じく連合王国を支えることを、自ら人々に誓います。
人々の拍手喝さいが鳴りやまない刹那、夢から覚めるのです。
おそらくは三世紀中ごろ、卑弥呼のあとを襲った「男弟」の即位式の模様なのでしょう。
卑弥呼は狗奴国と闘い戦死し、軍事的に勝利した狗奴国が、邪馬台国連合に参入した直後と思われます。
初期ヤマト王権の大王たちは、昼寝して見た夢に神の啓示をはかり取ったと言います。
小生が見る夢には、何かが隠されているのでしょうか。謎が深まります。