年末や年度末になると、かかってくる電話、ご商売なさっていらっしゃるかたでしたら、一度は聞かれたことがあるでしょう。
「このご時世、資金繰り、たいへんですよね。
お世話になったあなただけに、特別枠のご融資を差し上げますよ。
上得意様枠、特別低利でお貸しします。
私どもは、某政党の大物でいらっしゃた「あるおかた」の遺産管理を差し上げていますから、こんなお話さしあげられるのです。
そうそう、政界再編資金を金塊で隠していらっしゃった、あのかたです。
いかがですか。担保不要の低金利ですよ。
最初にほんの少しだけ、保証金を積んでいただきますけどね。」
このウサクサ話にみごとに引っかかってしまう方々のほとんどが、次の話なら冷静に見破られるのだそうです。
「特別枠、低利のご融資です。
私どもは、GHQ民生局にいらっしゃったマッカート少将の隠し資産を管理しています。
担保不要ですが、かわりに一度だけ保証金を積んでいただきますが…。」
はい、M資金ですね。被害額が小学校4年生の「大きな数」(「兆」を学びます)に迫るという、古典的な詐欺話です。
分かっちゃいたのになぁ…の、ほとんどが甘すぎるお話です。
何かと春めいてきたこの頃、思考回路まで春めかぬよう自戒しております。