懐かしいことを思い出しました。と申しましても、大昔のことではありません。
土曜の午後の授業を終え、夕方の懇談を終え、教室を閉める準備をしていまして、ふっと思い出しました。
ちょうど一年ほど前でしょうか、同曜日、同時間帯にお母様と娘さんが入っていらっしゃいました。
小生を発見されるなり、「いらっしゃった!いらっしゃった!良かった!良かった!」と。
小生、奮闘努力の結果、お喜びいただいたこと、数知れませんが、教室にいただけで喜ばれたのは初めてでした。
驚きました。と同時に、記憶がよみがえって参りました。
ご訪問いただいた時から、更に一年数か月前、二月にしては暖かな日だったと思います。
近鉄奈良駅付近、東向北商店街を、妻と歩いておりました。
先ほど二人で食べておりました大仏うどんのことなど語らいながら、寒い季節は鴨汁つけ麺に限るとか、かき揚げの単品にはアクセントが効いているとか、注文してから時間がかかったのは鴨を採りに行っていたからにちがいない(笑)とか、他愛もないことをしゃべっておりました。
小生は古本屋へ、妻はケーキ屋へ、一瞬視線がクロスした時、視線の先、道路に落下した財布が見えました。
示し合わせたわけでもありませんが、二人ともダッシュしておりました。財布を拾ったときには、落とし主と思しき親子が20mほど前方に、歩き去っておりましたが、これまた示し合わせたわけでもなく、大声で親子を留めながら、財布を届けました。
お聞きしますと、奈良女子大学の2次試験を受験しに、島根県からいらっしゃったかたでした。一万円札が三十枚ほど入った財布が、ずしりと重かったです。「受験ですか?霊験あらたかな名刺をどうぞ。今後も何かありましたら、お電話していらっしゃい」。小生の名刺を渡しておきました。「霊験?…はい、保証の限りではありません」と、妻に笑われましたが。
さて冒頭の親子さんです。
「いつぞやは、お世話になりました。もっと早くお礼に伺うべきにもかかわらず、遅れました。申し訳ありません。」
「娘も、あの時の入試で、無事合格させていただき、財布を拾っていただきましたのと、すてきな名刺をいただきましたのと、ずっと感謝いたしておりました。ありがとうございました。」
仁義に厚い、すばらしいお二人でした。ほんの少しでもお役にたてましたなら、望外の幸せです。
今ごろ娘さんは三回生になられたでしょうか。残念ながら、お名前をお聞きし忘れました。
この記事をご覧でしたら、久しぶりに遊びにいらっしゃいませ。お待ちいたしております。