最近心に残った会話から。いくつか、おつきあいください。
まずは、あるお母様と。
「先生、どんな時に、生徒を誉めるのですか?」
「この子、すごいなぁと感動した時に、正直に誉めます。」
「どんな時に、叱るのですか?」
「ウソをついたとき、やる気が無いとき、逃げたとき…ですね。」
「立腹された時も、正直に?」
「腹が立ったら、叱りません。冷静に叱れないですから。誉めるときは、お祭り騒ぎでいいですが、叱るときは違います。」
もうひとかたのお母様と。
「うちの子、勉強が嫌いで、困っています。」
「困らないで、喜んでください。」
「喜ぶなんて…言うに事欠いて、何言い出さはるんですか?」
「我慢して勉強するすばらしさを身につけられるのは、勉強が嫌いな子だけです。勉強好きだったら、我慢しなくていいですから。好きな勉強を好きなだけするのは、全然偉くありません。誰でも、好きなことは放っておいてもしますよね。勉強ができるようになった子は、きっと我慢したから偉い子だといわれます。勉強って「勉励」に「強制」なのですよ。大部分の子にとっては…。」
「うちの子が勉強好きであってくれたら…。」
「勉強好きであってくれたら、お母さんが幸せですよね。しかし子供さんはどうでしょう。勉強大好きで、学者人生が拓けましたら、幸せなまま過ごせますが…。前途洋洋でしょうが…。果たして…。」
同世代のお父様と。
「先生、私たちの世代って、子供らの世代に何を残せてあげたのでしょうか。私たちの親父たちの世代は、「豊かな国・日本」を残してくれました。私たちの世代は…?」
「「平和な国・日本」を、残せたじゃないですか。「シラケ」てたり、「暴力集団」だったり、何かとマイナスイメージのレッテルがついて回りましたけど、平和を闘い取るために、砦の上に「世界」を作った世代です。胸を張りましょう!」
「そうですね。最近の時勢に、キナ臭い陰謀を感じます。若い頃だったら、もっと怒ってましたよね、私等…。」
「お父さんも、私も、老け込むにはまだ早いですよ。暗雲立ち込める時勢なら、実力で粉砕するのが、私たちだったじゃないですか。昔の名前で、出撃しましょうよ!」
「懐かしいですな、先生!メットと、ゲバ棒と、闘うぞ!闘うぞ!勝利するぞ!闘うぞ!…。アンポォ~、フンサイ!テイダイ~、カイタイ!トウソウ~、ショウリ!」
「お互い、なんだか、元気が出てきましたね!」