大阪通信 Vol.58 配布開始しました。いろんな博物館の「春季特別展」報告です。
杉浦先生、ご機嫌のお勧めばかりです(^_^)。
【1】天理大学附属天理参考館「ギリシア考古学の父 シュリーマン -初公開!ティリンス遺跡原画の全貌-」
【2】橿原考古学研究所附属博物館「継体大王とヤマト」
【3】近つ飛鳥博物館「古代出雲とヤマト王権 -神話の国の考古学-」
博物館のボランティア説明員に解説する男(「解説される」ではありません)、いったい何を書いているのでしょうか?
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(…前略)
ハインリッヒ・シュリーマンのスゴイところ…。
1)本名がすごく長い。ドイツ語名で、”Johann Ludwig Heinrich Julius Schliemann”(ヨハン・ルートヴィヒ・ハインリヒ・ユリウス・シュリーマン)と言う。
2)幼少時、半端なく貧乏であった。ギムナジウムの学費が払えずに、退学させられた。
3)それゆえに、当然「学者」ではなかった…が、裕福な「貿易商」として成功した。
4)ホメロスの『イリアス』に感動して、考古学を志した…と信じられてしまうほどに、情熱的なキャラクターであった。
5)気合と根性でトロイア遺跡を発掘できた…と信じられてしまうほどに、エネルギッシュなキャラクターであった。
6)オスマントルコ政府を騙して、恫喝までして、盗人同然に発掘品を国外に持ち出した…とは、およそ信じられないほどに、一見、善意あふれるキャラクターであった。
おおよそここらあたりが、世間一般に認知されている「シュリーマンのスゴイところ」ではなかろうかと思います。
1)~3)は、事実としてホンマにスゴイです。4)~6)は…、
4’)『イリアス』に描かれたトロイアの実在性を前提に考古学的発掘を試みたのが、必ずしもシュリーマンをもって始祖となすわけではないと、既に総括されていますし、
5’)シュリーマンは層位をまちがえており、彼によって「トロイア」と思われた遺跡は、実は1000年違いであったと、今や正しく指摘されていますし、
6’)盗人疑惑に至っては、「シュリーマンさんほどの善人が、まさかそんなことをするはずがない」と、何の根拠もなく一蹴されてしまうところがスゴイです。ちなみに彼が国外に持ち出した財宝の帰属をめぐって、トルコ、ドイツ、ロシアの三国がいまだに喧嘩しておりますです…はい。
ともあれ、そんな具合にスゴイ人なのですが、小生にとってシュリーマンは、もう少し地味にスゴイ人であります。
(後略…)
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ぜひ一度、読んでみてください。
大阪通信 Vol.58、石川数学塾大阪・学園前教室にて好評配布中です。ご自由にお持ちください。
なお、中入倉庫に大阪通信のバックナンバーが揃っています。今週の 大阪通信 Vol.58も、既に収納してあります。ご覧になってみてください。