「劇的」な合格!…ではなかったのでしょう。むしろ地味目だったと思います。
三年前、決してあきらめない受験生がいました。
模試の判定が良かったわけではありません。むしろ悪かったです。
人並み外れた体力があったわけでもありません。むしろなかったです。
しかし決してあきらめない受験生でした。
受験前日、夕刻に登場した彼は、自分自身にビンタ数発、「気合いを入れ」てから始めました。
睡魔と闘うために、椅子を取って膝立ちになりました。
それでもしつこい睡魔を覆滅すべく、なんと机の上に正座して勉強しました。
しばらくして叫び声が聞こえました。
「うぉ~!ををををぉ~!」
叫び声を残して、彼は机から落下しました。
「大丈夫か?」と覗き込まれても、ひょうひょうとしておりました。
「睡魔に勝ちました!がんばります!」
また猛然と勉強しました。
彼は今、奈良県下最難関の六年一貫校に通っています。
きっと今も、あの頃のように、自分に厳しく、妥協なく、まっしぐらに歩んでいることと信じています。