昔々のお話です。
大阪・兵庫・京都・奈良の中学入試統一解禁日がすっかり定着した昨今から慮るに、もしかすると全く想像を絶する事態だったかもしれません。
大阪・兵庫・京都の「統一初日」が3月、奈良は1月に五月雨式…という時代がありました。
正月明け早々に奈良の中学入試が始まります。日曜日ごとにきれいにバラけておりました。
前受け・本命、入り乱れて、騒乱怒涛に過ぎ去っていったものでした。
2月は戦士の休息…と思いきや、大阪・京都の統一初日までに、補欠出しまくっても入学定員を埋めてしまいたい奈良と、水面下の動きを秘かに注視する大阪・京都のせめぎあい、なんとなくザワついたまま3月を迎えます。
大阪・京都の受験終了と入学者召集・確定を受け、奈良が最後の大規模な補欠を出すため、ザワめきは3月末まで続くのです。
毎年繰り返される「激動の3ヶ月」を、今や果たして知っている業界人がどれほど残っているのか、受験日程前倒しゆえに、強気に押しまくった奈良の中学校と、それらに正面から闘いを挑んだ塾屋たち。
寒さが身に染みてくると、あの熱い日々を懐かしく思い出します。