大阪通信 Vol.38 配布開始しました。いつもどおり、ちょっと覗いてみましょう。
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読書の秋となりました。今回は【ただいま読破中!】特集です。5冊並行で読んでおります。秋の夜長に一冊いかがですか。
1)阿部謹也・網野善彦・石井進・樺山紘一『中世の風景』(上)(下)中公新書
我が国の中世史研究における大御所四人集いて…の対談集です。阿部先生・樺山先生がヨーロッパ中世史、網野先生・石井先生が日本中世史を専攻されています。「されています」と言いましても、皆様ほとんど鬼籍に入られました。実に世界史規模で中世を語りえる10項目を、延々2年間にわたって討論され、1981年初版、現在18版と、金字塔ともいえる「夢のあと」になっております。「海・山・川、職人、馬、都市、音と時、農業、売買・所有と法・裁判、家、自由、異端」…まあ、語られ尽くした感がありますね。それでも不満であった(らしい)阿部先生は、日欧中世史が一緒にできたのだから、もっと地域横断的に、時代縦断的に、学際的な歴史学が可能なんじゃないかと、あとがきされています。異議無し!これぞ、タコツボ学問に飽きちまった皆さんに、お勧めの書籍であります。
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杉浦先生、ふだんから呟いておられます。「夢も、悲しみも、欲望も…、読み流すことにしています」…だそうです。
大阪通信 Vol.38、石川数学塾大阪・学園前教室にて好評配布中です。ご自由にお持ちください。
なお中入倉庫には、大阪通信のバックナンバーが揃っています。ごらんになってみてください。